学究:徳富蘇峰(31)関連史料[30]

前回同様、朝日新聞掲載分から確認していきたいと思います。

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56.1907年(明治40年) 10月 20日 「●全國圖書館員大會」

一部引用↓

「第二回全國圖書館員大會は昨日午前九時より上野公園帝國圖書館に於て開會せり出席者七十餘名にして文庫協會長市島謙吉氏開會の辭を述べ田中帝國圖書館長は著作の件及び左の件を協議し文部大臣の祝辭(秘書代讀)澤柳次官及高楠博士、徳富猪一郎氏等の演説あり午後六時散會したり」

⇒「第二回全國圖書館員大會」の様子を描いた記事。出席者は70余名。

 開会の辞を述べた市島謙吉は、明治から昭和前期に活躍した政治家、文筆家。東京専門学校(現在の早稲田大学)の創立や、国書刊行会の設立に参画し、日本図書館協会の初代会長を務めた。当時市島が会長を務めていた「文庫協會(日本文庫協会)」が、後に日本図書館協会となる。

 史料中の「田中帝國圖書館長」とは、帝国図書館の初代館長を務めた田中稲城のこと。帝国図書館は現在の国立国会図書館にあたる。文部省の書記官として、ハーバード大学・オックスフォード大学・ケンブリッジ大学などの図書館を見学し、図書館経営の方法を学んだ。

 史料最後の行にある「澤柳次官」は、当時文部次官を務めていた「澤柳政太郎」。澤柳については、澤柳政太郎について | 成城学園を参照。

 

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