学究:高嶋米峰(13)関連史料[12]
前回同様、朝日新聞掲載分から確認していきたいと思います。
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18.1916年(大正5年) 9月 27日 「青鉛筆」
一部引用↓
「▲大藏次官の菅原通敬君が近來僕は三吹主義の信者になつたと気焔を吐く、其三吹主義といふは第一朝起きて法螺貝を吹く、第二晝は尺八を吹く、第三夜は屁を吹くといふのだ、人が笑ふとムツトした顔で「何が可笑しい、法螺と尺八とはあの大隈侯に法螺貝贈つた澤來太郎君に敎はつたのだが屁は高島米峰先生のヂキ傳であつて資本入らずの近代式衛生法だ」」
⇒沖縄県収税長、税務監督官・主税局内国税課、函館税務管理局長、神戸税務監督局長、大蔵書記官・主税局内国税課長、主税局長などを歴任した菅原通敬の意外な一面を示した記事。
「三吹主義」という言葉は、この史料が初見であり、朝に法螺貝、昼に尺八、そして夜に屁を吹くことが、健康に繋がるという主張である。法螺貝と尺八による健康法を示した沢来太郎(さわ・らいたろう)は、公愛会や血誠義団を組織した自由民権家で、後に衆議院議員として活躍した。夜の健康法「屁を吹く」を高嶋米峰が教授したという事実は大変面白く、同時に大蔵次官のような官僚との親和的な繫がりも確認できる。
*大蔵省関連書籍:財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像 (中公新書 2338)