学究:高嶋米峰(47)関連史料[46]

前回同様、朝日新聞掲載分から確認していきたいと思います。

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62.1925年(大正14年) 11月 1日 「けふの放送」

一部引用↓

「♢午前九時四十分修養講座「孔夫子と親鸞聖人」高島米峰 ♢十時三十分講演「産業組合の近況」佐藤寛治 ♢午後零時十分日本音樂史講座(第四回)(一)講話 足利時代の劇樂謡曲(主として拍子組織に就て)工學士 山崎樂堂 (二)實演 海人(玉の段及び後シテ)シテ粟谷益二郎▲地福岡周齋▲大鼓近藤台八▲小鼓樫木爲義▲太鼓中野作朗▲笛寺井政一(以下、中略)」

⇒1925年11月1日のラジオで放送予定の番組一覧を示した記事。

 高嶋米峰は、(記事中では)トップバッターで、午前9時40分から修養講座「孔夫子と親鸞聖人」を担当する。放送内容は記事だけでは掴みかねるが、おそらく孔夫子(孔子)と親鸞との比較を行ったのではないかと推察され、朝早くからこの放送を嗜んだ聴講者の層を知りたいものである。

 次に、10時30分からは佐藤寛治による「産業組合の近況」。午後0時10分からは「日本音楽史講座」と題して、「足利時代の劇樂謡曲」に関する山崎楽堂による講話と、数名の演奏者による実演が行われた。

 山崎楽堂は、大正から昭和前期に活躍した、法政大学教授(現在の法政大学の校章を創案)、能楽研究家であり建築家。能や狂言に関する評論を幾つも発表し、「地拍子」=「能の謡で、一定の音数律の歌詞を八拍子に割り当てる基本の規則」の理論化に貢献した。また、細川家能楽堂などの種々の能楽堂の設計にも取り組んだ。

 

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