学究:高嶋米峰(43)関連史料[42]

前回同様、朝日新聞掲載分から確認していきたいと思います。

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58.1925年(大正14年) 6月 14日 「學校風紀廓清の決議 廓清會総會が文相に請願」

全文引用↓

「廓清會では近來各地學校の風紀びん亂の實状に鑑がみて十二日の總會にて左の如く決議し同日代表者高島米峰、三輪田元道兩理事は○田文相を訪問して右決議文を提出し風紀廓清の請願した 
 決議 文部大臣は國民道徳の現状に鑑み、全國中等學校男子修身科教科書中に貞操道徳の尊嚴を鼓吹する一文を加へ以て純潔なる家庭の根柢を養ひ健實なる社會の基隆を築き風紀のしゆく清を期せんことを望む」

⇒廓清会の学校風紀改善への試みの一つを紹介した。廓清会は、1911年(明治44年)の吉原全焼を機に、組織された廃娼運動の団体である。今回は、本会の理事である高島米峰・三輪田元道両知事が、当時の文相・岡田良平に決議文を提出している。

 決議文の内容は、文部大臣は国民の道徳心の更なる向上を目指し、全国の中等学校男子の用いる修身科教科書中に貞操道徳の尊厳を促す一文を加えるべきである、というものである。ここには、男子の道徳心を高めることが、良い家庭・社会を形作る上では必要不可欠であるという認識が見られる。

 

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