学究:徳富蘇峰(12)関連史料[11]

前回同様、朝日新聞掲載分から確認していきたいと思います。

____________________________

27.1900年(明治33年) 5月 26日 「随感随筆 彌生山人」

一部引用↓

 「○握力 中上川彦次郎氏は握る力が強いと云ふが是は本當の手で握る腕力の事で握力を計る器械で試すと直に何度と云ふ事が分るのである徳富猪一郎氏の握力も餘程強いそうだが山人は兩氏ともに其の度を聞き漏らした」

 ⇒三井財閥の工業化・三井銀行不良債権処理を推進・三井家の最高議決機関「三井家同族会」設置などの功績から「三井中興の祖」と呼ばれる中上川彦次郎と、本ブログで追い続けている徳富猪一郎は「握力」が強いらしい、という(どうでもいい)記事。

 

*中上川彦次郎関連書籍:中上川彦次郎の華麗な生涯

            明治期三井と慶應義塾卒業生

 

28.1900年(明治33年) 10月 11日 「△紅葉館の密會」
全文引用↓

「徳富猪一郎都筑馨六野田卯太郎永井純一の諸氏は一昨日正午頃より麻布なる長谷場氏の邸に集會し何事か内議する處ありしが夕刻より更に席を紅葉館に移し引續き密談數刻に渡りたり」

⇒ 徳富猪一郎・都筑馨六・野田卯太郎・永井純一による紅葉館での密談。野田卯太郎は筑後国豪農の家に生まれ、逓信大臣、商工大臣などを務めた。一平民から大臣にまで昇った立身出世の体現者として知られる。柴田徳次郎の私塾国士舘開設の関係で、頭山満中野正剛緒方竹虎らとの繫がりもあった。

 

*野田卯太郎関連書籍:地方からの産業革命 -日本における企業勃興の原動力-

 柴田徳次郎関連書籍:日本はこうすれば立直る (1964年)

 中野正剛関連書籍:憂国の士 中野正剛

          アジア主義者中野正剛

 緒方竹虎関連書籍:緒方竹虎とCIA アメリカ公文書が語る保守政治家の実像 (平凡社新書)

          緒方竹虎―リベラルを貫く

          緒方竹虎 (人物叢書)