学究:高嶋米峰(5)関連史料[4]

前回同様、朝日新聞掲載分から確認していきたいと思います。

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7.1912年(大正元年) 11月 20日 「●畜犬税と蓄妾税 高島米峯(寄書)」

一部引用↓

(始めに、どんな性格の犬にでも重く課される税金(犬一頭に、十圓の税金二十豫圓の附加税)の話がなされた後、それに取って代わる東京市民大賛成の課税方法が提案される)「まづ第一に自動車である。自動車に乗つて、人を轢き殺して歩かうといふ程の、沒義道の人間からは、何程高い税金を徴収しても差支はない。」

 

「次は妾である。蓄妾に課税するのである。(中略)これがために、中流以上の、或る人々の家庭の空氣が、幾分かでも清くなるならば、それこそ實に、望外の幸福といふもの。犬の如き畜生なンぞから、金を絞らずに、人間の蓄妾から捲き揚げる方が、ずンと男らしくはなかろうか。(十一月十九日)」

自動車税と蓄妾税の創設を提案。後者は「風俗あらため會」などの活動と無関係ではないだろう。

 

8.1913年(大正2年) 3月 7日 「●新佛教演説會」

全文引用↓

「七日(金曜)午後六時三十分より神田橋外和強樂堂に開會、加藤咄堂、高島米峰、林古溪、加藤龜雄、大住舜、田中我観、三輪華城、境野黄洋諸氏の演説ある筈」

⇒いつものメンバーで開催。

 

9.1913年(大正2年) 9月 2日 「文藝」

一部引用↓

「▲高島米峰氏はその奇論と怪文とを満載し「噴火口」と題して近く丙午出版社より發行するさうだ▲夏目漱石氏は目下津田青楓氏に就て油畫を研究し静物○花等四枚を描き上げたが氏は青い色が非常に好きで如何なる悪縁か畫を描かずには居られぬさうだ」

高島米峰「噴火口」の刊行紹介。同じ記事内に夏目漱石の津田青楓論が掲載されているのは興味深い。津田は画家、良寛研究者として知られ、夏目漱石と親友関係にある。

 

夏目漱石関連書籍:私の個人主義 (講談社学術文庫)

          漱石文明論集 (岩波文庫)

          柄谷行人 新版 漱石論集成 (岩波現代文庫)

 津田青楓関連書籍:漱石と十弟子

          津田青楓の図案―芸術とデザイン (近代図案コレクション)